馬は戦場へとひた走っていく。身の内から湧き上がる衝動のままに、政宗は馬上で声を張り上げた。
「Are you ready guys?」
Yeeeeah,と返る声に、体の熱はとめどなく上がっていく。腹の奥で静かに燃え盛り、身体中を狂ったように駆けめぐる。
「Let’s party!! Ya - ha!!!」
 

同時に前方から覇気が膨れ上がったのを、政宗ははっきりと感じた。
ぞわりと、背筋が粟立つ。
先に待ち構える紅蓮の炎が、目にみえるようだった。きっとかの者は、瞳と二槍にその燃え滾る魂を灯して、こちらをまっすぐに見据えてくるだろう。
思い浮かべて、くっ、とのどが鳴った。
向かっているのは戦場だ。兵が、民が、今日も命を散らすはずだ。
けれど、このどうしようもない猛りはなんだろうか。
愉しい。愉しくてたまらないと、胸が、背が、頭が手が足が叫んでいる。
 

真田幸村。
 

つぶやくと、身の内に宿る雷が、びりびりと全身を走るのがわかった。
気配はもう、すぐそこまで来ている。
政宗は兜の下でくちびるを弦月のかたちにゆがめて、あぶみを蹴った。
 

戦場へ

普段はクールって自分では言ってるけど、やりあうと熱くなっちゃう政宗様が大好きです。
 

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